大切な人との時間を豊かに過ごすヒントが詰まった
医療や介護、看取り、終活に関する
さまざまな書籍をご紹介します。
谷川直子/著
2024年8月7日発売
元中学教師の恭輔は80代後半には認知症になり、骨折をきっかけに4年前からは在宅介護を受ける身の上だ。通称「かんたき」看護小規模多機能型居宅介護の看護師、介護士が自宅でのサポートをしているが、妻にとっては老老介護、かかわる子どもたちも還暦前後でらくではない。オムツとトイレの大惨事、認知症の薬などを試みるが、次第に出来なくなってくることが増えていく。万一の場合には救急車をどうする?
96歳で息をひきとるまでの20日間、家族や介護者はどのように備えるのか。誰にとってもひとしく迎える最期はどのようなものなのか。死ぬときはどうなるのか。そしてその日は信じられないほど「あっさりと」やってきたのだ――。長寿社会という「最先端」の時代を生きる私たちに、道しるべとなる「老衰介護看取り小説」の誕生。自分ごととして必ず来る老い、病、死をやわらかく問いかける、先を照らす小説。
久坂部 羊
2024年5月7日
息もつかせぬストーリー展開で、認知症専門病棟の医師と看護師、家族の壮絶で笑うに笑えない本音を、現役の医師が描いた医療サスペンスの傑作。
こちらで試し読み小堀 鷗一郎
2024年4月19日
外科医から70歳近くで訪問診療医となった著者が見てきた、700人超の生老病死。多死社会のなかで、いかに自分の老いと死にきちんと向き合っていくか、豊富な実例をもとに考察する。
こちらで試し読み徳永 進
2024年2月20日
鳥取にある「野の花診療所」は19床の小さなホスピスで、始まってから23年が経とうとしている。ここでは今日も誰かがこの世を去っていく。死はつらく、悲しい現場ではあるけれど、必ずどこかに人間の持つ温かみやユーモアがある。死に向かう人々の健闘を伝えたいーー「野の花診療所」の院長である医師が、患者さんとその家族の姿をうつしだした、おそらくこれが最後のエッセイ。
こちらで試し読み小池 真理子
2024年2月7日
作家夫婦は病と死に向き合い、どのように過ごしたのか。残された著者は過去の記憶に苦しみ、その後を生き抜く。大反響を呼んだ朝日新聞連載のエッセイ。文庫化に際し、夫の藤田さんが亡くなってから3年10カ月、現在の心境を加筆。解説は林真理子氏。
こちらで試し読み大崎 百紀
2024年1月19日
90歳で認知症の父と、84歳で寝たきりの母を介護することになった著者。両親の愛着たっぷりの家での在宅介護を目標に介護福祉士の資格まで取得したものの……。福祉サービスをはじめ、お役立ち情報満載の介護奮闘記。
こちらで試し読み垣谷 美雨
2023年12月20日
「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。それは親類や子供たちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。「遺骨は燃えるゴミで」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。
こちらで試し読み森下 香枝
2023年11月20日
2022年7月、都内の病院で死去した女優・島田陽子さんの遺体の引き取り手はなく、居住区だった東京都渋谷区が引き取り火葬した。21年度、自治体が遺体を葬ったケースは約8600件に上る。高齢化と孤立化で「無縁遺骨」になる可能性は誰にでもある。その実態と墓じまいの現状を追う。
こちらで試し読み島薗 進
2023年10月10日
「あなた自身の死生観」のために最適の書。「魂のふるさと」「無常」「孤独」「悲嘆」「慰霊・追悼・鎮魂」「桜」「うき世」を鍵言葉として大伴旅人、山上憶良、菅原道真、紀貫之、西行、芭蕉、一茶、折口信夫、金子みすゞ、漱石、金子兜太……の作品を読みこむ。
こちらで試し読み井戸 美枝
2023年5月12日
老親のエンディングや妻の老後にかかるお金……夫が計画しておきたい「家族のこれから」を、人気FPが自身の経験を交えて述べる。相続法や年金制度の改正で、思わぬ落とし穴もある複雑な仕組みの対応策をわかりやすく解説する。
こちらで試し読み久坂部 羊
2023年3月7日
認知症の父親を施設から自宅マンションに引きとると決めた矢部好太郎。家族の協力を得て自宅介護を始めるも、食事に排泄の介助とままならぬことばかり。隣人からは過度に問題視され……。高齢者医療を知る医師でもある著者が介護をめぐる家族の悲喜劇を描く。
こちらで試し読み河﨑 秋子
2022年9月7日
私は介護者「D」ランクなのだろうか──東京で派遣社員として働く30歳の琴美。父親の体調のため札幌へ戻ることを決意したが、慣れない父子生活、同級生との差異に戸惑う。現代的な問題を軸に描く著者の新境地。
こちらで試し読み瀬戸内 寂聴
2021年12月27日
「生きる楽しみのすべてを犠牲にして、ひたすら書き通した百年ばかりの人世は、一応筋を通したことになろうか」──著者が亡くなる直前まで書きつづけた朝日新聞連載を緊急文庫化。単行本未収録の15本を新たに加えた最後のエッセイ集。
こちらで試し読み藤原 和博
2021年11月12日
60歳は第二の成人式。人生100年時代の成熟社会をとことん自分らしく生き抜くためのルールとは? 〈お金〉〈家族〉〈死〉〈自立貢献〉そして〈希少性〉をテーマに「掛け算」の法則から人生のコツを説く、藤原式大人の教科書。
こちらで試し読み伊藤 比呂美
2021年11月5日
古典新訳に定評のある詩人による、暮らしに結びついたお経現代語訳、自然を見つめる明るいまなざし、「生きる」ことへのやわらかな希望のある極上エッセイ。耳でも味わいたい著者によるお経朗読9編をふくむCDつき。
こちらで試し読み落合 恵子
2024年1月10日
「明るい覚悟」とは、自分にとって大事なほんの僅かなものを握りしめて暮らすこと。加齢とともに、他者との違いを強調せず、自分のだめさ加減にいら立ちながら、諦めて人生を明け渡さない「ただの人」を最高と思うようになった。かつて考えていた「老い」とはまるで異なるものがここにある。落合恵子が70代の折り返しに綴った深く暮らす術を、とびきりの絵本と共に紹介
こちらで試し読み帚木 蓬生
2020年4月13日
世は終活ブームながら、老活こそ生命線。60歳で白血病を経験した73歳の現役医師による、れ一人置き去りにしない「食事」「習慣」「考え方」。高齢者のおちいりがちな病気不安症、睡眠行動の点検、本当に正しい脳の鍛え方、筋肉や歯、脳の活動のための食……。むずかしいことは何もない。さあ、今の今からはじめよう。
こちらで試し読み竹中 星郎
2019年12月10日
老年精神医学の第一人者による、生活の視点からみた実践的に役立つ臨床の覚書。老いゆく心をわかっているのだろうか? 病の多彩な症状の底流にある「老いを生きること」の実相とは? 大上段の構えではない、老いの自然な姿、成熟とは? そして100歳老人の愉快な奔放人生も追う。
こちらで試し読み瀬戸内 寂聴
2019年11月13日
「死についても楽しく考えた方がいい」。私たちはひとり生まれ、ひとり死ぬ。常に変わりゆく。だから、いくつになってもだれかを愛することは「有り難い」奇跡──私たちは人生の最後にどう救われるか。生きる幸せ、死ぬ喜び。魂のメッセージ。
こちらで試し読み上野 千鶴子
2019年11月7日
著者も古希をむかえた。ぽっくり死ぬのは万人の悲願だが、そうはいかない。老人になり、不自由な身体を抱えながら、どのように最期まで暮らすのか。病院なのか、多様化する老人施設なのか、それとも自宅なのか――。同世代のおひとりさまの友人の死を経験した社会学者が、「いよいよ次は自分の番だ」という当事者感覚をもとに、医師・看護師・ケアマネージャーなど医療と介護の垣根をこえて現場を歩き、その収穫を大公開する。
こちらで試し読み樹木 希林
2019年8月9日
樹木希林はなぜあれほど平気に死んだのか。読み継ぐべきラスト・ロングインタビュー。この浮世をぞんざいに生き切る覚悟。あらゆる出会いや運命に感謝する心のもちよう。病や死すらおもしろがる透徹した視点。樹木希林さんの言葉一つひとつがお手本だ。そして娘・内田也哉子さんが初めて語る最期の日々、内田家の流儀、未来に受け継ぐ「母の教え」とは――。
こちらで試し読み島薗 進
2019年4月10日
災害・事故・別離等、「ひとり」に耐えて生き抜く力の源とは。宗教学の泰斗が現場と対話を重ねながら、宗教、物語、悲嘆と望郷の「うた」を歴史的文脈で捉えなおす。グリーフケアの待望の基本図書。
こちらで試し読み藤原 新也
2018年12月20日
死を想え「ちょっとそこのあんた、顔がないですよ」。本当の死が見えないと、本当の生も生きられない。1983年の刊行以来、30年以上にわたり多くの読者に読み継がれ、さまざまな人生に寄り添ってきた超ロングセラーが、装い新たに復刊。
こちらで試し読み朝日新聞出版
2024年2月26日
病院選びに役立つ「いい病院」シリーズ最新刊。がん、脳疾患、心臓病など、31治療法の手術数ランキングを掲載している。病気ごとの最新治療や病院の選び方を専門医がわかりやすく解説。「親ががんになったときに子にできること」を特集する。
関連サイトを見る朝日新聞出版
2023年11月9日
「在宅医療」のすべてがわかる一冊。がん終末期で病院から在宅を勧められたときなど、在宅医療の受け方や費用などを解説します。在宅医探しに役立つリストとして、全国約2700診療所・病院の看取り実績を一挙掲載。「平穏死の10の条件」著者の長尾和宏医師が全面監修。
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