鳥取にある「野の花診療所」は19床の小さなホスピスで、始まってから23年が経とうとしている。ここでは今日も誰かがこの世を去っていく。死はつらく、悲しい現場ではあるけれど、必ずどこかに人間の持つ温かみやユーモアがある。死に向かう人々の健闘を伝えたい――「野の花診療所」の院長である医師が、患者さんとその家族の姿をうつしだした、おそらくこれが最後のエッセイ。
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