言葉やメディアの壁を越え、長く愛される作品づくりへ
岩中菜々子(2020年入社 新卒採用)
- ライツ部門
- DXIP
- 5年目
岩中菜々子(2020年入社 新卒採用)
朝日新聞出版の本は、翻訳出版、映像化、ゲーム化、商品化など、様々に形を変えて世に出ています。こうした二次利用の提案を他社に向けて行ったり、他社から提案を受けた時には窓口となり著作権者と第三者の間に立って契約に関する事務、契約書の管理、ロイヤリティ管理の収受事務を行ったりと、本や記事など当社のコンテンツの著作権に関する、いわゆるIPビジネスを行うのが、DXIP推進部の役割です。
私はDXIP推進部への配属当初から文芸やビジネス、実用書などの翻訳出版の窓口を主に担当し、海外の出版社と定期的に商談を行ってきました(配属から1年で台北やソウルへの出張を経験しました)。出張期間中には数十社におよぶ商談すべてにおいて当社の書籍を毎回数十冊くらい紹介し続けることになるため、特に忙しいです。慣れないうちは、数十冊の本を読みプレゼンの準備をするのも大変でしたが、この商談がきっかけで翻訳出版のオファーをいただけると、苦労した分、嬉しさもひとしおです。毎回気合いを入れて臨んでいます。
翻訳出版に加え、最近は、映画やドラマなど映像化や人気コミックのキャラクターグッズなどの商品化事業に携わることも増えてきました。どのプロジェクトも、たくさんの社内外の人がかかわるため、進める過程で多くの困難に直面します。そんな時の心の支えは、著者さんご本人に喜んでもらえること。励みにもなりますし、働く上で何より重要な指標として、常に意識しています。
個人的な話になりますが、学生時代はジャーナリズムを専攻し、編集者や記者を目指す一介の就活生でした。当時の私はまさか今のようなIPビジネス業務に携わるなんて、想像もしていませんでした。ただ、エントリーシートに「本の魅力をひとりでも多くの人へ届けたい」と書いた熱い思いは今も変わらず、日々の業務のモチベーションになっています。
どれだけ力を入れた新刊も、時間が経てば既刊となって、いつかは書店から姿を消すことになるかもしれません。人気の連載作品もやがて終わりを迎えます。それでも作品が世代を超え、できるだけ長く、多くの人に愛され続けるには? そのヒントが、DXIP推進部の仕事にある気がしています。
本が好きな人こそ、言葉やメディアの壁を越えて作品の魅力を伝えられる、このポジションに向いていると思います。いつか皆さんと一緒にお仕事ができる日を楽しみにしております。
(2024年12月執筆)
海外の出版社に向けて朝日新聞出版の本を紹介する「ライツカタログ」を作成しています。外部に英訳・組版を依頼したゲラを丁寧に校正し、仕上げていきます。
作品をグッズ化した商品は、発売前に必ず品質やクレジットの記載などをチェックしています。とくに、ホラー漫画家・伊藤潤二先生の作品はグッズ展開の幅が広く、驚かされます。
(この帽子、何のキャラクターか分かりますか?)
入社後、営業本部販売部書籍課に配属。3年目に営業本部宣伝プロモーション部(現・DXIP戦略本部マーケティング部)に異動し、書店向けの拡材作成や自社SNS運用などのプロモーション活動に従事。2023年6月、DXIP戦略本部DXIP推進部に異動し、主に翻訳出版の窓口業務を担当している。
撮影:写真映像部 和仁貢介