「大谷さんに託します」の重み
大谷百合絵(2018年入社 新卒採用)
- 編集部門
- 記者
- 8年目
大谷百合絵(2018年入社 新卒採用)
自称“好奇心おばけ”の私にとって、記者の仕事は天職だと思っています。政治家、芸能人、スポーツ選手、さらには米国刑務所に収監された元囚人……!? 新聞やテレビとはちがい、AERAの記者は担当分野をもたないので、日々あらゆる肩書の人々に会って話を聞く刺激的な生活をおくっています。
その中でも生涯忘れられない経験となったのが、能登半島地震の取材です。元日の発災から一夜明け、すぐさま飛行機で現地へ。輪島の避難所での取材中、「夫を亡くしました」と話す一人の女性と出会いました。彼女は、“翔ちゃん”こと旦那さんが運ばれた遺体安置所や倒壊した自宅に私を連れて行き、地震の様子や翔ちゃんとの思い出を事細かに語ってくれました。
爪がはがれそうになりながらがれきの山をかき分けたり、血の痕を見つけては「ここに翔ちゃんが埋まってたんです」と嗚咽したり。そんな人生のどん底にいる彼女を前に、質問を重ね、必死でカメラのシャッターを押す私。次第に「記者ってなんて残酷な仕事なんだろう」と罪悪感が膨れ上がっていきます。
しかし、彼女は別れ際、こんな言葉を口にしました。
「被災地の現実、被災者の悲しみと苦しみを、世の中に伝えて。大谷さんに託します」
それを聞いた瞬間、「自分の仕事は誰かに寄り添い、社会をよりよくできる仕事なんだ」と、救われた気がしました。記者とは何か、その意義と責任を噛みしめた経験です。
と、時にシリアスな現場もありますが、AERA編集部は軽口やジョークも飛び交うアットホームな雰囲気です。私と謎の生命体・だべらちゃんがMCを務めるYouTube&ポッドキャスト番組「AERAのだべらじお」を覗いていただければ、一目瞭然でしょう。編集部の愉快な仲間たちが、取材裏話やら脱線話やら実にゆるーくだべりあっていますので。
人が好き、もしくは面白がれる人なら、誰でも記者の素質があると個人的には思います。「え、私では……?」と思ったそこのあなた、編集部でお待ちしています。
(2025年12月執筆)
週に1度の企画会議。
デスクや他の記者と意見を交わし、企画の精度を磨く。
「AERAのだべらじお」収録現場。
取材の裏話や気になるニュースをざっくばらんにお届け。
入社後、朝日新聞水戸総局での研修を経て、週刊誌「週刊朝日」で記者としてのキャリアを積む。現在は「AERA DIGITAL」編集部の記者として、ニュースから社会問題、トレンドまで幅広いテーマを取材。YouTube&ポッドキャスト番組「AERAのだべらじお」MCも担当。
撮影:写真映像部 山本二葉