京都・冷泉家時雨亭文庫に伝わる貴重な典籍古文書類を精巧な複製本で紹介する冷泉家時雨亭叢書。第7期84巻の刊行でいったん「完結」したが、その後の調査の進展にともなって、あたらな資料に日が当たり、公開を熱望する声が研究者を中心に寄せられるようになった。その声におこたえし、叢書第8期16巻の刊行を開始する。配本終了時には通巻100巻の叢書となる予定。平安時代から室町時代前期ころまでの、最古写本もしくは最古写本に近く優れている書目を集成する。キャッチフレーズは「配本ごとに日本文学史が変わる」。
その巻頭を飾る通算第85回配本には、隠岐本識語を持つ室町前期写『新古今和歌集』(重文)と、撰集に関わった正親町公蔭自筆本を親本に書写した『風雅和歌集』の2勅撰集を収める。