伊藤若冲、享年85。
画家人生を飾る最後の傑作、
京都・信行寺の「花卉図天井画」がついに出版された。
200年間一般公開されてこなかった“幻の天井画”は、
合計167の格子面に、牡丹、菊、梅、朝顔などの花が描かれている。
牡丹、鶏頭、仏桑花、紫陽花、向日葵などは拡大した写真を掲載。
雌しべ、雄しべ、葉脈などを、細部に至るまで精巧に描きだしているのが分かる。
80歳を過ぎて、人生の終わりが見えてきた若冲は、
何を考え、何を祈って167枚もの花々を描きあげたのか。
監修者の辻惟雄は、
「若冲にとって花は、現世と来世をつなぐものだった」と言う。
生誕300年の記念出版、完全保存版。
【目次】
京都・信行寺「花卉図天井画」
――嬉嬉として遊び戯れる167枚の若冲の分身たち――
●無限の個性をあらわにして 紡ぎ出された胸中の花々/辻 惟雄
●格天井の花々を「同定」する/光田重幸
・若冲が描いた江戸中期の「花」
・描かれた花に見る江戸中期の栽培植物
●信行寺「花卉図天井画」同定表
●本堂と一体化した格天井の花々/信行寺 住職 本多孝昭
●義仲寺翁堂「天井画」/岡田秀之
●人物で綴る「若冲の時代」
●応挙と若冲
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香川県琴平町 金刀比羅宮「百花図」
●金刀比羅宮 琴陵泰裕権宮司 インタビュー
●整然と配置された濃密な花の世界/岡田秀之
●絢爛たる花々とともに庶民の野菜まで描かれている/光田重幸
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●伊藤若冲の生涯/岡田秀之
などなど