選書
歴史
歯痛の文化史
古代エジプトからハリウッドまで
ジェイムズ・ウィンブラント 著 / 忠平 美幸 訳
ISBN:9784022630612
定価:1870円(税込)
発売日:2017年6月9日
四六判並製  360ページ  選書0961 
品切れ・再販未定

・近代歯科医学の父ピエール・フォシャールが好んだ歯痛治療法の一つは、自分の尿で口をゆすぐことだった。
・ナポレオンの皇后ジョセフィーヌは歯並びが悪く、それまで人前で見せるものでなかったハンカチを、おしゃれな歯隠し小道具として使い、フランス女性のあいだでファッションとして流行させた。
・南北戦争の兵士たちは、(紙製)薬莢を食いちぎって開けるために少なくとも上下二対の前歯が必要だった。入隊の呼び出しを受けた男たちのなかには、徴兵を逃れようと前歯を抜いた者もいた。
・ワーテルローの戦いのあと、五万人もの死体から歯が抜き取られた。その大量の収穫物は、のちに入れ歯や移植に使われ、「ワーテルローの歯」として知られるようになった。

古代、虫歯は、悪魔、歯の虫、体液の過剰が原因とされた。中世になると、旅回りの歯抜き屋が街の広場の歯抜きショーで客を集め、怪しげな民間療法も横行した。虫歯の治療は理髪や瀉血と共に主に床屋外科が行っていた。近世になって医療としての歯科治療が芽生えてくる。施術者の組合ができ、大学で歯医者の育成が始まり、歯医者は独立した職業になった。しかし患者は麻酔もなく、床に寝て治療を受け、治療は相変わらず「血と痛み」の世界だった。近代になり、麻酔、レントゲンなど技術が進歩し、試行錯誤のなかで今日の治療の原型が生まれていく。それに合わせ、入れ歯、歯磨き、ブリッジ、口臭よけ、楊枝の利用も始まる。歯医者は治療と美容の両面を引き受ける仕事になった。
恐怖と嫌悪で語られる「歯治療の世界」を、患者の視点からエピソードたっぷりに綴った〈笑える歯痛の世界史〉。
皇后ジョセフィーヌのほか、拷問で歯を抜かれ歯痛の守護聖人になった聖アポロニア、入れ歯で悩んだジョージ・ワシントン、歯医者の宣伝映画製作で世に出たウォルト・ディズニー、歯医者の麻酔、『笑ひのガス』の映画をつくったチャールズ・チャップリンも登場する。

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