モリのいる場所

文句はあるけど、いつまでも二人で

昭和49年夏――
喜びも悲しみも乗り越えて結婚52年目。
画家・熊谷守一（モリ）と妻・秀子の
ある1日を描いた映画『モリのいる場所』の小説版。

5月19日より全国公開！

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「なあ、もう一度、人生を繰り返すことが
　できるとしたら、どうかな」
「それは、いやだわ。疲れるもの」
「俺は、何度でも生きるよ。今だって、もっと生きたい。
　生きるのが好きなんだ」
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94歳の画家が愛する庭と、そこに住まう無数の小さな生命、
老夫婦のお茶の間に集う人々――
さまざまな視点から、軽やかに「モリ」の日常があふれだす。

（目次）
一　昭和天皇
二　郵便屋
三　美恵ちゃん
四　蟻
五　画商・荒木
六　温泉旅館主人・朝比奈
七　鹿島公平
八　隣の佐伯さん
九　少女
十　藤田武
十一　文化功労者選考委員会委員
十二　マンションオーナー・水島
十三　工事現場監督・岩谷
十四　美恵ちゃん（ふたたび）
十五　知らない男
十六　熊谷秀子
十七　庭