大沢在昌、作家生活40周年記念の第1弾は、パラレルワールド警察小説
警視庁捜査一課の女刑事が、
「光和26年のアジア連邦・日本共和国・東京市」にタイムトリップした――。
警視庁捜査一課の“お荷物”志麻由子(しま・ゆうこ)は、連続殺人犯の捜査中に、何者かに首を絞められ気を失う。「殺されたのか・・・・・・」。目を開けると、そこは異次元の「光和26年のアジア連邦・日本共和国・東京市」、戦後の荒廃した世界だった。
由子は自分が、東京市警の<エリート警視>として存在していること、部下だと名乗る男性は、かつて付き合っていたボーイフレンド・里貴(さとき)にそっくりだった。
由子は犯罪組織から憎まれているだけでなく、警察内部でも強引な捜査方法が非難を浴び、孤立無援の状態だった。そして里貴からは、もし警察官を辞めて一般人に戻ったりすれば、命を狙われる可能性があることを知らされ打ちのめされる。
混乱した状況のなかで、「エリート警視」になり代わらざるを得なくなった由子は、捜査を開始する。そして新宿の闇市に君臨する「羽黒組」と「ツルギ会」を壊滅させようとするのだが・・・・・・。
やがて明かされるタイムトリップが起きた、胸つぶれる理由。
志麻由子は、「元の世界」へ戻ることができるのか?