祖母や母の思い出話を通して漱石の生きた痕跡を記憶にとどめる孫娘が、晩年にあたって家族への思いをつづる。漱石門下の作家・松岡譲と漱石の長女・筆子を両親に持ち、長年アメリカで日本語や日本近代文学を教えてきた著者が、いまも読まれ続ける漱石作品の中から、家庭人としての漱石に注目する。祖母・鏡子につきまとう悪妻説についても、実際に触れた祖母の姿や漱石作品で書かれた妻像から漱石夫婦の関係を問い直す。
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