『私をくいとめて』(2月7日発売)
『私をくいとめて』(2月7日発売)

©2020『私をくいとめて』製作委員会
©2020『私をくいとめて』製作委員会

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©2020『私をくいとめて』製作委員会

高校在学中の2001年「インストール」で第38回文藝賞を受賞しデビュー後、芥川賞、大江健三郎賞など数々の賞を受賞してきた綿矢りささんが弊社より刊行した『私をくいとめて』の映画化が決定しました!

監督は、同じく綿矢りささん原作の『勝手にふるえてろ』(2017年)などで、女性の生き方や恋愛にスポットを当てつづけてきた大九明子さん、脳内に相談役「A」をもつアラサー黒田みつ子を演じるのは、女優・創作あーちすと のんさん、みつ子が恋をする多田くんには、今最も注目を集める実力派俳優・林遣都さんです。

【STORY】
30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子(のん)。みつ子がひとりきりでも楽しく生活できているのには訳がある。脳内に相談役「A」がいるのだ。人間関係や身の振り方に迷ったときはもう一人の自分「A」がいつも正しいアンサーをくれる。「A」と一緒に平和なおひとりさまライフがずっと続くと思っていたそんなある日、みつ子は年下の営業マン多田くん(林遣都)に恋をしてしまう。きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へふみだすことにする。

【公式HP】
kuitomete.jp
【公式twitter】
@kuitometemovie

【コメント】
■原作:綿矢りさ

<実写映画化の話を伺った時の感想>
映画化のお話を伺ったときは、大九監督の魔法によって、どれだけキャラクターが生き生きとよみがえるんだろう、とまず最初に思いました。以前に自著を映画化していただいたとき、主人公だけでなく、物語上のすべてのキャラクターたちが、本当に実在するようにリアルで、それでいてコミカルに描かれていたのが、驚いて忘れられなかったからです。本作は想像力のたくましい女性が主人公の話で、彼女はたくさんの人と関わることを無意識に恐れています。
映画化の台本を読むと、彼女の実は色鮮やかな内面が、イイ味出してる周囲の人たちとのふれあいにより、より濃く輝いてるなと感じました。
現実ではさりげなく過ぎていくけど、実は心は激しく動いている。こんな場面を、のんさんと林遣都さんという、最高の方々に演じていただけると思うと、もう喜びを隠せません。お二方の過去の出演作品を見ながら「こんな素敵な方々が、あのけっこう地味な、いやかなり地味な、みつ子さんと多田くんになるなんて」と信じられない気持ちでいます。

■みつ子役:のん
<林遣都さんとの初共演について>

肌が白くて羨ましかったです。
羨ましすぎて、いつも以上に念入りにお肌のお手入れをしてました。
林さんの役に対するアプローチも、とても魅力的だったので負けられない、と気合が入りました。
あと、林さん直々に並んで買ってきてくださったおすすめのクッキーサンドを現場で配っていらっしゃって、すごく優しい方なんだなと思いました。クッキーサンド、美味しかったです。

<脚本を読んだ時の感想>
面白かった。楽しいセリフが沢山で、シリアスなシーンでも皮肉なユーモアが滲んでいて、どうやって解釈しようか…と嬉しくてニヤニヤしながら読みました。
一番胸を打たれたのは、この作品のテーマであり、みつ子が大切にしているおひとりさま。
おひとりさまって、一つの生き方として結構普通になってきている気がします。脳内に相談役としてAの存在を作り出す事も、楽しく生きていけるならありだなって思える。世の中の幸せは多様化している、そんな風に感じました。
触れられない相手と触れられる相手の間でどう揺れ動いていくか、演じていてとても楽しかったです。
考えすぎて自分で行き詰まっていく不器用なみつ子が、とても愛おしい。
早く皆さんに観ていただきたいです。

■多田くん役:林遣都
<のんさんとの初共演について>

お芝居をしてる時と普段のギャップが大きい方という印象でした。
人との距離の縮め方がきっと自分に近く、短い撮影期間ではあまりお話することはできませんでしたが、お芝居をしている時は常に役を通してお互いの心を探り合い、心地良い会話をさせていただけたと思ってます。
よーいスタートで目の色が変わり、極めて繊細な表情で相手を引き込む力がある方で、お芝居の中で驚かされた瞬間が沢山ありました。
ご一緒できて楽しかったです。

<脚本を読んだ時の感想>
綿矢りささん、大九監督お二人の世界観を演じることを楽しみにしていました。
不器用な人間同士のピュアな心の模様を大九さんがどのような演出で繋げていくのか。あまり特徴が多いとは言えない自分の役どころにどのような膨らみが生まれるのか、楽しみな要素が沢山ありました。大九監督の人間の弱い部分に寄り添った心理描写、苦しいシーンもどこか温かく微笑ましい空間に変えてしまう演出をもっと味わいたいと思いながら気付いたら撮影を終えていました。
完成を心待ちにしています。

■監督:大九明子
<「私をくいとめて」を実写化しようと思ったきっかけ>

読んでみてびっくり。主人公がもうしっかりと脳内で会話してるじゃないですか!Aとか名付けちゃって!
「私をくいとめて」は、綿矢文学の醍醐味である切れ味のいい言葉たちの間を、さまざまな色が漂い、ある時はスパークする。色に溢れた読書体験を終えた時には、この色と言葉をどう映像で描こうか、と考え始めていました。私、これ撮らなくちゃ。とすぐシナリオにして、プロデューサーに売り込んだ次第です。

・初タッグののんさん、林遣都さんのお芝居の印象について
のんさんは怒りの表現が見事で、あんなに柔らかい空気を漂わせていながら、内側に高温のマグマみたいなものを持ってる人だと思います。のんさんはいっぱい質問してくれます。その対話の中でこの映画の核を再確認できたように思います。
林遣都さんは以前からご一緒してみたかった方です。振り幅が素晴らしく、少し話すと芝居がどんどん変わるので、とても楽しかったです。急に変なことお願いしてもすぐに「はい」と言ってやって下さって素敵。


【映画情報】
監督・脚本:大九明子
原作:綿矢りさ「私をくいとめて」(朝日文庫、朝日新聞出版刊)
出演:のん 林遣都 ほか
製作幹事・配給:日活
制作プロダクション:RIKIプロジェクト
企画協力:猿と蛇
(c)2020『私をくいとめて』製作委員会