読者のみなさまへ

2014年9月17日
朝日新聞出版

「大江戸捜査網DVDコレクション」に関する週刊誌報道について

 今年1月創刊の「大江戸捜査網DVDコレクション」について、株式会社デアゴスティーニ・ジャパン(以下デアゴ社)の内部資料を朝日新聞出版が違法に入手し不正利用していたとの週刊誌報道がありました。弊社がデアゴ社の内部資料を意図的に持ち出したり、持ち出させたりした事実はありません。しかし、デアゴ社から転職してきた弊社社員が退職時に返却、処分することなく、弊社入社後も前の会社の資料を持っていたことは、転職に際しての会社情報の取り扱いに関する認識が乏しく、弊社としても社員教育が徹底しておりませんでした。みなさまに深くお詫びいたします。

 デアゴ社は弊社に対し、「実害が現時点で確認できていない等の理由により、現時点で朝日新聞出版を告訴することは考えておりません」と表明しています。

以下、ご説明します。

 記事は見出しやリード、本文中で「泥棒」「盗んでいた!」「組織的犯罪」「盗用」「ドロボウ会議」「窃盗」などと記述し、弊社の行為を意図的な窃盗行為であるかのように強調していますが、事実に反します。

 デアゴ社で長年働き、昨年4月に弊社に入社した社員が、デアゴ社在職中に所持していた業務関連資料の一部を弊社入社後も引き続き所持していたことは事実ですが、意図的に持ち出したものではありません。弊社幹部が持ち出しを指示した事実もありません。とはいえ、退社後も所持していたことは軽率な行為であり、弊社はデアゴ社幹部に謝罪したうえ、資料をデアゴ社に返却、廃棄しました。

 この社員は2013年春の定期採用試験に自ら応募してきた者で、通常の選考を経て採用しました。スカウトしたわけではありません。退職時に資料を返却、処分することなく、弊社入社後も所持しておりました。

問題とされた資料の一つで「逓減表」と呼ばれるものは、売れ行き部数の推移を集計したデアゴ社の内部資料で、2007年当時のものです。もう一つの「売上表」はデアゴ社作成の内部文書ではありません。当該社員が業務の便宜上まとめた文書です。

 弊社はこうした事情をデアゴ社幹部に報告して謝罪しました。
デアゴ社資料の取り扱いについて、昨秋、朝日新聞社とグループ企業、団体のコンプライアンス体制を統括する「朝日新聞社コンプライアンス委員会」で審議され、結論を伝えられました。

 これを受けて弊社は企画をいったん凍結して、デアゴ社に謝罪し、調査資料を返却して了解を得ました。そのうえで弊社は関係者を厳重注意しました。

 今回の週刊誌報道を受けて、改めてデアゴ社に謝罪して見解を伺ったところ、以下のような文書をいただきました。


株式会社デアゴスティーニ・ジャパンの見解

「朝日新聞出版による弊社マーケティングデータの利用に関し、弊社の考えをご説明します。

 朝日新聞出版に対する事情聴取を含め、現時点までの弊社の調査によれば同社による不正利用の事実が以前同社により弊社に開示された重要性の低いデータ以外は確認されていないこと、また弊社データの更なる流出が確認されていないこと、更に、弊社として認識すべき実害が現時点で確認できていないこと等の理由により、現時点で朝日新聞出版を告訴することは考えておりません。

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン
代表取締役社長
大谷秀之
2014年9月17日」

以上