幕府・朝廷が京に一極集中した室町時代。首都には物資が集まり、花の御所、喫茶、バサラ大名など華やかな文化が展開する一方、荘園支配は守護に一任され、地方支配は変化を余儀なくされた。
15世紀半ば、嘉吉の乱による将軍暗殺のあと、幕府は求心力を低下させ、首都近郊では一揆が続発。主を失った牢人が京にたむろし、博打に興じ、乱暴を行うなど混乱を生じさせていた。その後の10年に及ぶ応仁・文明の乱で暗闘した足軽は、いったいどこから現れ、何をしていたのか。下剋上そのものといわれた足軽の姿を明らかにし、室町時代の実像に迫る。