北朝鮮代表入りした鄭大世。日本国籍を取得、日本代表入りし2011年アジアカップ決勝戦で決勝点となるボレーシュートを決めた李忠成。
日本で生まれ育った在日コリアンサッカー選手が選んだ、正反対のふたつの道――。
「蹴球は朝鮮の国技」と教えられる在日コリアンにとってのトップスポーツは野球ではなく、貧しくてもボール一つあればプレイできるサッカーだった。朝鮮高校は日本のサッカー強豪校を次々破り在日コリアンたちを熱狂させ、その熱狂の中から数々の在日コリアンJリーガーが誕生する。
Jリーグで活躍しナショナルチーム入りする段階で、ある者は日本国籍を取得し日本代表入りし、ある者は北朝鮮代表、韓国代表となった。
その過程における様々なドラマを、祖国=韓国・北朝鮮への思いと母国=日本への思いを軸に描き出す。
本文庫版では鄭大世が北朝鮮代表、李忠成が日本代表として対戦した2011年のW杯アジア予選日朝戦について触れた章を増補。