地球には、みずから光を発するさまざまな生き物がいる。ホタル、バクテリア、イカ、クラゲ、貝、ミミズ、ヒトデ、魚、キノコにも……発光生物は動物、植物などの区別なく、陸上、海中どこにでも幅広く存在し、どんな系統の生物が発光するのかについてはまったく規則性がないという。
これら多くの生物は、いったい何のために発光するのか、発光はどんな仕組みで起きるのか、その謎は昔から人々の心をとらえてきた。アリストテレス、プリニウス、ボイル、フランクリンも発光生物について言及している。
下村脩博士は50年にわたり発光生物の研究を続け、オワンクラゲから発光物質イクオリンを発見し、緑色蛍光たんぱく質の発見により2008年のノーベル化学賞を受賞した。その博士が初めて入門書を書き、生物発光の特徴、研究史、化学、発光の目的、応用など、生物発光のすべてをやさしく説明する。