傑出した日本文学研究第一人者による、日本と日本人への思いが詰まったロングセラーが、朝日選書より待望の文庫化! 来日のいきさつ、桜や軽井沢など日本文化や生活に関する思索、戦争犯罪について、能や歌舞伎など伝統芸能論、そして三島、谷崎といった文学者との交流まで豊かに綴る。知性と温かい人柄のにじみ出る珠玉の一冊。《解説・松浦寿輝》
《目次》
I なぜ日本へ?/第一の転機/ヘンな外人/外国人との付き合い方/海外における日本研究
II 年の始め/私の日本住居論/桜/訳し難いもの/和食についての迷信/雑音考/軽井沢情調の今昔/日本のマスコミ/戦争犯罪を裁くことの意味/刑死した人たちの声/日本人の無常感
III 体験的能芸論/能の普遍性/歌舞伎芝居見物の楽しみ/浮世絵の魅力/日清戦争の錦絵/江戸の洋画家 司馬江漢
IV 谷崎先生のこと/戦中日記の伊藤整氏/吉田秀和という日本人/「鉢の木会」のころ/わが友 三島由紀夫