〈宿命というものがあるならば、
二代目吉右衛門こそ、それを背負って生きてきた人である――〉。
いかにして「二代目・中村吉右衛門」は生まれたのか。
生い立ちの秘話から思春期の葛藤、吉右衛門襲名後からさまざまな苦闘、2011年の人間国宝認定、四女瓔子と尾上菊之助の結婚、そして現在に至るまで、「誕生」「初舞台」「初代との別れ」「東宝入り」「恋と苦衷」「襲名発表」「東宝離脱」「結婚」「実母」「長谷川平蔵」「四姉妹」「秀山祭」など、名役者の波乱に満ちた半生を余すところなく描く魂の実録。
中村吉右衛門自らの手による序文、初舞台から2016年11月の国立劇場開場50周年記念公演「仮名手本忠臣蔵」までを網羅した詳細な年譜付き。
2009年の単行本刊行以降を追加取材して大幅に加筆し、演劇評論家、水落潔氏による解説も収録した決定愛蔵版。