南米ウルグアイの前大統領のホセ・ムヒカ氏は、質素な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」として注目を集めた。2010年の国連会議でのスピーチは、日本で絵本となり25万部超えるベストセラーとなり、関連書籍も軒並み10万部を超えた。また来日した様子がテレビでも報道され、ムヒカ熱に拍車がかかった。
朝日新聞の萩一晶記者は、ムヒカ氏の幸福論ばかりが取り上げられることに違和感を持っている。むしろ、ムヒカ氏の真意は「まずは自分を幸せにし、周りも幸せにし、そうやって志を同じくする人で集まって、今の世の中を変えていこう」という社会変革のメッセージこそが中核にあるのではないかと指摘する。
本書では、誤解されたムヒカ氏の言葉から「真意」を汲み上げ、彼の政治哲学、政治家としての功績(現地では当然批判もある)を紹介し、何故そういう人物が大統領に選ばれたのか考える。
そしてムヒカ氏への単独インタビューに成功。彼が日本人に本当に伝えたかった事とは何なのか?