「私の人生って、つまんない?」
「正直に答えてよ、A」。
黒田みつ子、もうすぐ33歳。
男性にも家庭にも縁遠く、一人で生きていくことに、なんの抵抗もないと思っている。
ただ時々、「正解」が見えなくて、迷ってしまうことも……。そんな時は、もう一人の自分「A」に脳内で相談をしている。
私やっぱり、あの人のこと好きなのかな。
でも、いつもと違う行動をして、何かが決定的に変わってしまうのがこわいんだ――。
感情が揺れ動かないように、周りとうまく調和するように。
「おひとりさま」を満喫しようと、繊細に気を配るみつ子。
同世代の女性の気持ちを描き続けてきた著者による真骨頂。
著者初の新聞連載小説。