藤原道長を恐れさせ、紫式部を苛立たせた書。それが随筆の傑作「枕草子」だ。
権勢を極めた道長が、なぜ、政敵方のこの書を潰さなかったのか。「枕草子」執筆に込められた、清少納言の戦略とは?冒頭の「春はあけぼの」に秘められた清少納言の思いとは?あらゆる謎を解き明かす、まったく新しい「枕草子」論。
【構成】
序章 清少納言の企て
第一章 春は、あけぼの
第二章 新風・定子との出会い
第三章 笛は
第四章 貴公子伊周
第五章 季節に寄せる思い
第六章 変転
第七章 女房という生き方
第八章 政変の中で
第九章 人生の真実
第一〇章 復活
第一一章 男たち
第一二章 秘事
第一三章 漢学のときめき
第一四章 試練
第一五章 下衆とえせ者
第一六章 幸福の時
第一七章 心の傷口
第一八章 最後の姿
第一九章 鎮魂の枕草子
終章 よみがえる定子