大洪水を予測し竪穴住居の建材を持って逃げる弥生人、噴火被害から性急に復旧をはかる古墳時代の首長、対蝦夷政策のため貞観大地震の復興に力を注いだ律令政府、中世戦乱を契機に寺社門前が拡張した奈良町、大名手伝普請を利用した江戸幕府の復興バブル策など、災害遺跡の発掘調査や文書から、大災害から力強く復興してきた人々の姿が浮かび上がる。天然記念物にみる列島のなりたち、災害資料学の提唱、各地で消えゆく津波碑の警句紹介や、災害痕跡が見学できる遺跡探訪のコラムも。文化庁企画、2016年東京都江戸東京博物館の連続講演会「復興の歴史を掘る」の書籍化。