2017年春に急逝した高田良信法隆寺長老最後の自伝。12歳で法隆寺の小僧となり、いたずら盛りの年頃に厳しい修行の毎日を送るも、師匠や周囲の大人の慈愛に満ちたまなざしのなか、「瓦礫法師」に成長し、当代一の学僧として法隆寺の興隆に尽力するさまを軽妙なエピソードを交えて語り下ろす。
寺内の建物天井裏から史料を発見し、藤ノ木古墳被葬者論に一石を投じ「法隆寺昭和資財帳」編纂事業を立ち上げて寺史を編み直し、寺宝を再発見、法要を復興した。夢殿や救世観音にまつわる謎の解明、日本初の世界文化遺産登録、百済観音堂建立など、当時の古代史ブームの表裏を語り尽す。