「『日本』という国号が決まる前・・・・・・には『日本』も『日本人』も日本列島には存在していない。日本国は明らかに東北と南九州を侵略・征服して、100年をかけてようやく本州・四国・九州を支配下に入れたわけですね。そこから出発して考えていく必要がある」(網野)
「アイヌと琉球と2つの王朝があって、京都の王朝を入れて3つの王朝が並行して日本列島の中にあった・・・・・・そこを日本の歴史像の中に組み入れていかないと、『君が代』も『日の丸』もとらえ切れないし・・・・・・人類の中の日本人という方向には向かない」(鶴見)
歴史家・網野善彦と哲学者・鶴見俊輔が、それぞれの半生に重ねながら日本の歴史について語り合う。
我々はいつから「日本人」なのか。教科書とは異なる視点に立ったとき、新たな「日本」の姿が見えてくる。
一度だけの貴重な対談の文庫化!