書籍
ノンフィクション
祈りの旅
天皇皇后、被災地への想い
朝日新聞社会部
ISBN:9784022515254
定価:1650円(税込)
発売日:2018年2月7日
四六判並製  256ページ 
品切れ・再販未定

天皇、皇后両陛下は台風、噴火、地震……大きな災害のたびに、積極的に被災地を訪れ、被災者を見舞ってきた。人々の前でひざをつき、一人ひとりに丁寧に語りかける姿が印象的だ。なぜ、さまざまな被災地を訪問してきたのか、被災した人々とどう向き合ってきたのか。両陛下の被災地訪問の軌跡をたどり、「象徴の意味」「現代にふさわしい皇室のあり方」について考える。

《目次》

第1章 東日本大震災
【皇居で一夜】その瞬間/揺れたシャンデリア/皇后さまが見舞いに
【首相の内奏】ワーキングランチ/平服で認証式/原発事故への関心
【御用邸を避難所に】倒れた石灯籠/御用邸の温泉を提供/秋篠宮家が絵を提供/御料牧場の卵とソーセージ/「川の流れのように」/務めは「国民の安寧と幸せを祈ること」
【まず東京、そして埼玉】選挙中の石原知事が出迎え/「東北は、私が行きます」/廃校舎、急いで下見/ひざ立ちで語りかけ
【千葉と茨城の被災地へ】関東地方から始めては/コウナゴ漁への影響は
【皇居での進講】「講師は先生お一人です」/消防隊員の健康気遣う/防塵マスク「それはN95ですか」
【宮城県訪問】記念の塗り箸は持ち帰った/真っ先に自衛隊の名/再度の黙礼/捜索活動に「ありがとう」/気休めではなく
【岩手県訪問】伸びたヒゲをどうする?/「窓は開けたままに」/「見下ろす海は青く静まる」
【福島県訪問】「原発を見たい」/「ヘリなら被曝の問題はクリアできます」/福島の野菜を持ち帰り/「津神社はどのへんですか」/自衛隊員の「メンタル面」を心配
【その後の被災地訪問】「お疲れでは」「いや大丈夫だ」/「飯舘村に行きたい」/サプライズ/よろける/大槌町のハマギク/4泊5日に膨らむ日程/イトヨを通じた交流/来ていただくだけで元気に

第2章 さまざまな災害
【伊勢湾台風】血の叫び/随員は半分/ぼくらだけ/背広に長靴
【伊豆大島】スタイル/昭和と平成/ツバキ咲く/バッグと傘
【雲仙普賢岳噴火】車列は短く/「主人の分まで育てていきます」/核心触れる質問に絶句/「陛下の隣に」突然のお言葉/ストレス/前代未聞/「葉タバコ農家はどうなりましたか」/古文書
【北海道南西沖地震・奥尻島津波】入居延期/「教訓をしっかり記録して」/批判の電話/傷だらけの顔/あの坂/ありのまま
【阪神・淡路大震災】100日間/現下の急務/バス1台に/がんばって/曇天の校庭/マフラー/スイセン/島のヘリポート/皇室に問う/誠に遺憾
【三宅島噴火】少女との約束果たす突然の来訪/長期化する避難生活 感謝の島節/島あさりカレーのレシピ
【中越地震・中越沖地震】カレンダー/ひざが白くなって/土砂ダム/「段差でございます」/拉致被害者・蓮池夫妻と会う
【熊本地震】くまモン/南阿蘇村での再会/折り紙の花束
【さまざまな災害】汗だくで(長野県栄村)/深層崩壊だったんですね(和歌山県)/雪害を気にかけて(埼玉県深谷市)/忠恕の精神で(茨城県常総市)
【歌】被災地に寄せる思いを詠む/歌碑となり被災地を励ます
【水俣へ】「天災も人災も関係ないのかもしれない」/即席のあいさつ/山百合忌で同席/皇后さまは「会いたい」と/「夢を見た」と思ってください/「天皇さんに聞こえるごつ、声出さんば」/「まなざし」を交わし合う

第3章 なぜ被災地を訪問するのか
【島々を思い続ける旅】51島を訪問
【傷痕の地を訪れ、悲しみを共有する旅】たましずめ/悲しみを共有する旅/「災害もまた自分の責任」/羽毛田元長官「被災者案じる姿に感動」/川島前侍従長「象徴の意味合い、如実に」
【「象徴」を考える】ひざをつく/天皇陛下の名にある「仁」の実践/国民と天皇の相互依存関係/象徴天皇の意味

あとがき
参考文献

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