稀代の落語家、古今亭志ん生と志ん朝。2001年の志ん朝の急逝に衝撃を受けた著者が、この親子2代の軌跡を独自の視点で活写する。東京落語を軸に、言葉、人、場所そして時代の精神へオマージュを捧げる極上の人物論。志ん朝との幻の対談も再録。志ん生ブーム再燃の今こそ知るべき、名人の心打つ伝説。《解説・森卓也》
【目次】
●第一章 古今亭志ん朝
古今亭志ん朝の死
志ん朝日和
●第二章 古今亭志ん生
ある落語家の戦後
志ん生幻想
●第三章 志ん生、そして志ん朝
一、〈路地〉の消滅
ニ、志ん生、大ブレイク
三、志ん生、倒れる
四、志ん朝、登場
五、志ん朝のいる〈空間〉
六、円熟期から〈粋〉の消滅へ
●第四章 落語・言葉・漱石
『落語鑑賞』と下町言葉
夏目漱石と落語