時代を駆け抜けた球児たち
1915(大正4)年、全国中等学校優勝野球大会として大阪・豊中グラウンドで始まった大会は、兵庫の鳴尾、甲子園と球場を変え、2018(平成30)年に100回を迎えた。
2019年、新たな世紀を迎える「夏の甲子園」。
1世紀を超える歴史をいろどる数々のエピソード。
次の世代に語り継ぐべき過去100回の秘められた記憶をたどった、朝日新聞の人気連載が書籍化。
【目次】
はじめに
第1章 1916年、謎の「ジョン君」
・米国人ジョン、草創期の活躍 など
第2章 最初の球児たち
・時は大正、先駈けの球児
・秋田の快進撃、予想を覆す
・サヨナラ、71年後の証言 など
第3章 暴動のなかで
・はかまの審判、決勝は雨
・神戸で焼き討ち、大会延期
・関学初優勝、喀血のエース など
第4章 聖地建設の道
・木の客席、新球場手狭に
・センバツ、初回は名古屋
・土作り全力、甲子園完成 など
第5章 速報 事始め
・速報競争、伝書バト舞う
・ラジオ登場、実況は幻に
・初の中継、元球児が実況 など
第6章 大空と野球場
・大正末期、空からボール
・「空の大航海時代」沸く
・神風、冒険機の名だった など
第7章 三連覇の影で
・学生野球、国が統制令
・3連覇、延長25回の友よ
・至宝、彼の名は沢村栄治 など
第8章 植民地朝鮮で
・朝鮮大会とは何だったのか
・「球審が不公平」として棄権
・生徒の抗日運動、全土に など
第9章 魂の野球 飛田穂洲
・甲子園取材、野宿に驚く
・師の教え、フェアであれ
・甲子園観戦中に召集 など
第10章 浪商エースの戦中・戦後
・悲運のエース、出征の時
・敗戦、夏の大会復活を探る
・定岡に挑み1点に泣く など
第11章 戦後の逆境に負けず
・兄の死「野球やめないと」
・被爆球児、甲子園に出場
・倍賞千恵子、弟は強打者 など
第12章 経済発展支えた炭鉱町で
・王貞治の背中に学んだ
・炭坑閉山の夏、勝ち進む
・60年代、女子マネ次々 など
第13章 過熱する高校野球ブーム
・あれが桑田と清原か
・「群馬の英雄」に教わる
・片腕の少年、野球部希望 など
第14章 変容する社会とともに
・0-122、部員10人の夏
・阪神大震災、力に変えた
・3・11、練習に後ろめたさ など
あとがき