天皇陛下が2010年に退位の意向を周囲に明かしてから9年。この間、退位を認めるかどうかをめぐり、宮内庁と首相官邸の攻防があった。事態が大きく動いたのは2016年。7月にNHKが陛下の退位の意向を報道。8月には陛下が国民に向けたビデオメッセージを公表し、政権が模索していた摂政と公務の縮小を否定した。「玉音放送」によって国民の共感は広がり、陛下の意向に従う流れができた。
退位実現、新元号発表までに何があったのか。退位の実現は皇室を危機にさらす「パンドラの箱」を開けたのか。朝日新聞記者が新聞には書いていない内幕を明かす迫真のノンフィクション!
<訂正>
『秘録 退位改元 官邸VS.宮内庁の攻防1000日』の181ページで「尼子氏は高齢で病弱だったため、10年ほど前に後を継ぐ若手が追加され、黒衣役は2人となった。そして2017年、尼子氏は新元号を見届けることなく、ひっそりと亡くなった。」の記述で「2017年」は「2018年」の間違いでした。訂正しておわびします。