弱者排除主義や社会的怨嗟を動機とした犯罪が多発する、階級制が顕在化した近未来の日本──。世界各地でパワーローダーを着けた人間が無差別テロを実行し大勢の市民が犠牲となる。また世界同時多発でネット環境が破壊され、電子データが蒸発、金融システムも崩壊してしまう。正体不明の敵から経済テロを仕掛けられた人類社会は、その巨躯を動かしていたマネーという神経伝達物質を失い、また血流であるところの物流や人の流れが滞った結果、ゆっくりと死に始めていた――。
SF界の第一人者が世に問う、『オーバーロードの街』に連なる黙示録的大長編小説の続篇。