故・中島らもを父としてもつ著者が、はじめて自身の破天荒でファンキーな「家」を舞台に世にも奇妙な小4の夏休みを描いた自伝的長篇小説。
明日実の家には、つねに人があふれている。
バンドマンのトキオ、薬剤師のアキちゃんら両親の友達だけでなく、見知らぬ大人が平気で寝泊まりする家だ。
父は放浪中、母は入院中。小4の明日実は、一風変わった大人たちに彩られ、奇妙でファンタスティックな夏休みを過ごす。
「わたしは小学校に上がるまで、どこの家も満員御礼で暮らしているのだと疑っていなかった。しかし、周りの人に話を聞いたり、テレビ番組を観たりしているうち、どうもうちは他と違って風変わりなのかもしれないと段々気がついてきた。他の人の家では、よく知らない大人たちに交じって、父さんと母さんがどこに寝ているかわからない、などということはないのだと」(本文より)