明日が分からない不安の日々、多くの人が飢えていた。
だからこそ、誰もが「娯楽」を必要とした――。
1945年8月、大都市のほとんどが焦土と化していた。
映画、演劇、音楽、出版、スポーツなど、文化の担い手たちは、
どう再起し、娯楽産業をいかに復興させていったか?
12月31日まで、著名人たちの闘いを克明に描く!
黒澤明、木下恵介、長谷川一夫、原節子、杉村春子、古関裕而、双葉山、美空ひばり――「不安な時代」の挑戦者たちの物語。
〈目次〉
序章 それぞれの一九四五年八月十五日
第一章 八月 動き出す人びと
第二章 九月 幕が開く劇場、封印される映画、新しい歌声
第三章 十月 檜舞台の役者たち
第四章 十一月 禁止された芝居、広がった土俵、放たれたホームラン
第五章 十二月 『櫻の園』に集う新劇人