NHK朝の連続ドラマ小説「おちょやん」のモデルで、大阪を舞台にした映画やドラマには欠かすことのできなかったバイプレーヤー・浪花千栄子の唯一の著作である自伝的エッセイを復刊。
極貧の中で幼少期を過ごし、9歳で女中奉公に出される。大阪の仕出し屋での奉公時代に芝居に出会い、その後京都へ出て、女優となった。渋谷天外と結婚するも20年後に離婚、失意のどん底から、花菱アチャコたっての希望で女優復帰、その後は小津安二郎や溝口健二の映画にも出演し、女優としてさらなる花を咲かせた。
「水のように」というタイトルに託した浪花千栄子の人生観とは――。波乱万丈という言葉でも言い尽くせないほどの半生を回想し、自らの言葉で紡ぐ。