「私の晩年を何よりよく識っているのは、この連載エッセイらしい」──瀬戸内寂聴
「私の忘れてしまったことも、この連載エッセイの中には、すべて記録されている。言葉を変えれば、私の九十過ぎての遺言になっているのかもしれない」
──災厄の記憶、文人たちの思い出から、若い世代へのエール、コロナ禍での新たな生活まで、まもなく百歳を迎える著者が、いよいよ託す人生の記録。
目次
女流作家の訪れ
続・女流作家の訪れ
防空壕
もう一人の男
春画展に行こう
高橋源一郎とSEALDs
罰か慈悲か
幻人横尾忠則さんの幻画展
明日はしれない今日の命を
老いていく被災者たちは
これからの乙武さん
若草プロジェクト立ち上げ
明日
善い、悪いの命
平和だからこそ阿波踊り
この世の地獄
バカは私
買えなかったランドセル
あの夜
作家の日記
流れる時
百まで生きてやろうか
天台寺晋山30周年記念
幸せは自分で探す
ほおずき市から
最晩年の虹の輝き
山尾さん、孤独の出発に自信を
稲垣足穂の机
生きてやろう
2冊の書物の誕生について
朝日賞受賞騒ぎ
みんな先に逝く
寂庵の墓
花祭り
天才の秘書
大才を支えた大器
終の棲家
遺言
二百十日に始まる
老いのケジメ
法臘四十五
この世の命
「この道」と白秋の三人の妻
二月の鬱
まだ生きている
ショーケンとの再会
御大典
女流作家の夫たち
ふるさとの夕暮れ
暑い夏
怖れるもの
長生きの余徳
二つの誕生日に
中村哲さんの死
思いだす人々
きさらぎは凶
角田源氏誕生
コロナ禍のさなか
白寿の春に
横田滋さんを悼む
書き通した「百年」