無能な王子ハルが見つけたグランドル国の希望とは――。
その一滴の涙さえ人を殺すという悲劇の少女リコリスの生涯を描いた『毒姫』のその後を描いたサイド・ストーリー。
『毒姫シリーズ』の完結巻。
生き残りの王子ハルは、誕生の際“忌み子”と言われた子供が自分であることを国民に隠していた。国民に寄せられる信頼や希望という重圧に押し潰されそうなハル王子が縋るのは、『毒姫リコリス』なのだが……。
敵国の罠に堕ち同盟国に攻め落とされたグランドル王国の再生と、三つ子の王子の唯一の生き残りハル王子など人々の葛藤を描く、ドラマチック・ストーリー。