「紅葉は、一瞬の夕日を受けて、この世のものとも思えぬ美しさに染まる。終わりは常に美しい」――。
不安な時代の中で、人と自然の営みを綴る筆者は、八十代半ば。生の終わりを比類なき輝きとしてとらえる。
死こそ誰にも訪れる最後で最大の「ときめき」なのだと。
自身も「終わりにふさわしく燃え尽きて、あかあかとあたりを照らしたい」という。
生命への優しい視線と、ときに厳しい言葉が胸にしみる極上のエッセイ。
プロローグ 眠りの中の一瞬の夢――最後で最大のときめき
第1章 喪失と永遠を考える――出会い、そして別れ
第2章 夢中になるということ――さまざまな生き方
第3章 最終楽章は華やかに――希望の足音