夫を交通事故で亡くした蔵野(くらの)たからが、純真無垢(むく)な一人息子の勝利(しょうり)の笑顔に救われながら、様々な困難に立ち向かい、ヘルパーとして成長していく奮闘劇。週刊朝日の好評連載が単行本第2巻発売に! 2019年11月から週刊朝日で連載がスタートした『新生ヘルプマン ケアママ!』(くさか里樹(りき)著)。2020年9月7日に発売された第1巻は192ページだったが、2巻は大増408pとなる。
たからは就職先の訪問介護事業所のスタッフとして、独居高齢者の白田金造(しろた・きんぞう)宅を訪問していたが、ある日、息子の保育園のお迎えと、白田宅訪問の時間が重なってしまい、就職先の労働規定を破り、子連れで白田宅を訪問。それがバレて就職先をクビになってしまう。
育児と仕事の両立に苦しむたからは、路頭に迷いもうろうとし、あわや交通事故に遭う寸前に、レスラー兼ヘルパーの早乙女千陽(さおとめ・ちはる)に救われた。特別なスキルもなく、できる仕事は介護だけ。職探しは急を要し、ひょんなことから弱小プロレス団体が運営する、いわく付きのヘルパー事業所「ピンフォール」で、くさか作品の「ヘルプマン」時代からおなじみの高齢者・妻夫木蝶子(つまぶき・ちょうこ)と出会う。たからは千陽や蝶子らと共に、白田のような常識的な介護施設では手に負えない高齢者たちを相手に、人生の後悔や汚点、誇りや尊厳に触れながら前に進んでいく。
白田は、がんに侵され身体まひが残る中、持ち前の“いたずら好き”な性格で、たからを驚かせて楽しんでいたが、実は、小さな下請け工務店から県下三本指に入る建設会社に成長させたやり手経営者だった。
そんな白田は、愛人の松原亀子(まつばら・かめこ)と、連れ子の松原陸王(りくお)に、白田建設が乗っ取られそうになっていた。
亀子は、白田の容体をおもんぱかり病院へ入院させたが、実態は、白田に近づくヘルパー事業所「ピンフォール」のスタッフを警戒し、独居中の白田宅から白田の身柄を隔離することが目的だった。たからは、白田宅に引っ越し業者が入っているところを目撃し、慌てて引っ越し作業を止め、段ボールの中から家族写真と実子たちの住所、そして、大金を見つけた。白田の本心は家族の絆を取り戻すことだと悟ったたからは、白田の娘宅を訪問することに。
白田には、他界した妻との間にできた子供3人がいたが、長女の兵藤英子(ひょうどう・えいこ)は、父への恨みと共に、兄2人から母の墓守を押し付けられ、家族全員を嫌悪していた。たからは英子と白田を引き合わせようと説得。白田の余命はもう長くないことを伝え、子を持つ母として、白田親子の仲を信じてみた。しかし、英子は、白田のベッドの上で、たからが手渡した白田一家が映る家族写真を破り捨ててしまう。白田親子はすでに修復不可能な状態になっていた。
一方、亀子は白田建設を完全に手中に収めるために、白田に近寄る者を排除し隔離していたが、たからが白田に近づいてきたため警戒していた。しかし、たからがヘルパー事業所「ピンフォール」の正式なスタッフでないことを知ったことで考えを一転。たからを雇い、自らのコントロール下に置き、白田の世話をさせることで「ピンフォール」が関われないように画策。一日でも早く就職し、息子の保育園を継続通園させたいたからは、亀子の思惑にまんまと乗せられてしまう。そんな矢先、たからは、新聞記事で白田の訃報を知ることに――。
白田の一世一代の“いたずら”。そこに関与する県議会議員の蓼山(たでやま)三郎。蓼山に協力を仰ぎ、会社乗っ取りを企てる亀子親子。泥沼化する人間模様の中で、たからがまっすぐに、献身的にヘルプする!