北極グマの剥製に頭をつっこんで絶命した伯父。残された伯母は、夜ごと死んだ動物たちに「A」の刺繍をほどこし続ける。この青い瞳の貴婦人は、ロマノフ王朝の最後の生き残りなのか? 若い「私」が古びた洋館で過ごしたひと夏を描く、とびきりクールな長編小説。新装版に寄せて、著者の長年の愛読者である中嶋朋子氏が巻末エッセイを寄稿。
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