昭和41(1966)年、テレビに怪獣が登場したことで、漫画雑誌、映画、玩具が一体となり、大怪獣ブームが巻き起こっていた。怪獣映画に新規参入する東西映画の脚本家・山本淳は、取材先で怪獣ジメラに遭遇。実際に怪獣が出現したことで製作映画は大ヒットする。さらに、玩具会社に勤める友人・佐野三郎とタッグを組んで怪獣ブームを盛り上げる。
一方、淳の従弟で航空自衛隊のパイロット・山本猛は、アメリカ軍STSでロボットパイロットの極秘訓練を積み、防衛庁SDUに配属される。ロボットR1でジメラ、エビレオン、シーブルを、STSのロボットGと共に撃退する猛。怪獣たちは地球侵略をもくろむフラン星人がコントロールする地球外生物だったのだ。そして、怪獣モグリネスの出現に対してR1に搭載されたSTS開発の新兵器とは……。
怪獣に関わるそれぞれが熱い思いを繰り広げる、昭和レトロが薫る物語。
著者は墨田区の玩具会社・マルサンの六代目代表。アメリカで写真展やパネルトークを開催するなど、国内外で怪獣マニアの心を掴む。
◆主な登場人物
山本淳 東西映画のシナリオライター
佐野三郎 玩具会社マルザン商会の社員。淳の友人
山本猛 SDU(防衛庁特命隊)所属。ロボット・R1のパイロット。淳の従弟
マーク STS(アメリカ軍の対宇宙・地球防衛組織)所属。ロボット・Gのパイロット
キャシー アメリカ軍所属、マークのガールフレンド
リサ キャシーの友人
◆主な登場怪獣
ジメラ 尻尾の先端から稲妻のような怪光線を発する
エビレオン エビのような大きなハサミを持つ
シーブル クジラの様相で強烈な腕力を持つ
バメール 甲羅の左右に翼のような腕と後部に尻尾がある
モグリネス 鼻先の角から熱光線を発する
◆フラン星人 怪獣をコントロールし地球侵略をもくろむ宇宙人
帯文より――-
子どものころに映画館で観ていたなら、大人になった今でもずっと心に残っている、おもちゃ箱のような物語です。宮嶋広樹(株式会社 東宝ステラ)