「少子化」「人手不足」に陥る日本から
今、なぜ人々が出て行ってしまうのか——。
海外に拠点を移し、外国の永住権をとった日本人は過去最高57万4千人。
働き盛り世代でも子育て世代でも「若者流出」は着実に進む。
賃金の安さ、過酷な職場環境、多様性を欠く社会、公教育の危機……
海外に移住した人たちへのインタビューを重ねるなかで、
浮き彫りになったのは、日本社会の「現在地」だった。
■目次
はじめに 「まさか」が普通になる時代
第1章 「日本では未来がつぶれてしまう」 ――働きづらい国からの脱出
第2章 「短期で稼ぐのと移住は別」 ――海外就労の光と影
第3章 増える教育目的の移住 ――日本型教育への疑問とマレーシアという選択
第4章 「自分が自分として生きていていいんだ」 ――ジェンダー後進国を出た理由
第5章 国を超えて働ける時代へ ――低くなった海外移住のハードル
おわりに
■朝日新聞「わたしが日本を出た理由」取材班
堀内京子 ほりうち・きょうこ
元朝日新聞記者(1997 ~2023年)。現在フリー。著書に『PTAモヤモヤの正体』(筑摩選書)、共著に『徹底検証 日本の右傾化』(同)『まぼろしの「日本的家族」』(青弓社)など。
平井恵美 ひらい・えみ
朝日新聞くらし報道部記者。高知県出身。盛岡総局などを経て2013年から経済部。労働分野や流通・小売り、官公庁などを取材。23年春から現部署で子ども関連のテーマを担当。
三浦惇平 みうら・じゅんぺい
朝日新聞経済部記者。1992年岐阜県出身。2016年に入社後、水戸、津、名古屋、東京で勤務。労働分野や自動車業界などを取材。
松浦 新 まつうら・しん
NHKを経て1989年朝日新聞社入社。共著に『電気料金はなぜ上がるのか』(岩波新書)『ルポ老人地獄』『ルポ税金地獄』(ともに文春新書)『負動産時代』(朝日新書)など。
石山英明 いしやま・ひであき
朝日新聞経済部記者。2009年から経済部。労働分野のほか、これまで製造業、流通・小売り、交通、不動産、教育、官公庁などを取材。
清井 聡 せいい・さとし
朝日新聞経済部記者。2000年に入社後、長野、さいたま支局などを経て06年から経済部。18年から6年間次長を務めた後、24年4月から大阪の経済部員として現場取材に復帰。