絢爛たる大河伝奇、終わりなき物語の終幕――
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この物語は、ぼくにとって、
生きてゆくための杖のような
作品となってしまった。 ――夢枕獏
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43年書き継いだ「生涯小説」、ついに完結――!?
九十九三蔵は円空山で真壁雲斎と酒を飲んでいる。
思い出されるのは大鳳吼、久鬼麗一のこと。
ふたりは今、どこで何をしているのか。
忘れられぬまま日々を過ごしてきた九十九に、
雲斎は「アメリカに行く気はないか」と尋ねる。
一方、荒久の海岸であの濃密な時間を思い返し、
火のように激しく涙する菊地良二。
そして、未知の種族イゾラド――。
夢枕獏によって、
これからも書き継がれる名作「キマイラ」。
“最終話を先に書く”という前代未聞の試み。
著者自身「これしかなかった」と語る、
長大なる物語の結末とは?