鎌田七男さん(広島大学名誉教授)は、放射線が人体に及ぼす影響、つまり白血病の染色体研究で世界的に有名です。また、原爆投下時に爆心地から500メートル圏内で奇跡的に生き残った78人の追跡調査を続けていることでも、知られています。
今では78人のうち存命の方は、ただ1人になってしまいましたが、その方と原爆投下80年目の8月6日放送「NHKスペシャル」にも出演。60年余も原爆の非人道性を立証してきた研究者・医師なのです。
鎌田さんの「思い」の全てを表現した宮崎園子さんは、広島県出身の元朝日新聞記者です。
核兵器によって大切なものを奪われ、いつまでも放射線の恐怖にさらされている人たち。身体だけでなく精神的な苦しみも続く――。
その苦難を鎌田さんはこう表現します。
「生涯虐待」
被爆者が少なくなり、皆の記憶が薄くなっていくのではないか。このような現状を憂い、88歳の著者・鎌田さんは訴えます。
この本は、著者から次世代へ向けた「魂のメッセージ」です。
【保阪正康さん推薦】
「核兵器は人間を生涯、虐待し続ける」
鎌田さんの言葉は重く貴重だ。だが、私たちはこの真実に正面から向き合っているだろうか。
【目次から】
第一章 一九四五年八月六日、私は……
第二章 被爆内科で「染色体異常」を発見
第三章 爆心地復元プロジェクト
第四章 「爆心地から五〇〇メートル」を生き抜いた人々
第五章 『広島のおばあちゃん』
第六章 フクシマからヒロシマへ
第七章 一科学者の限界
第八章 ヒロシマを伝え、そして残す