日中戦争開戦の翌年、満州国でデビューし、一躍スターとなった私=中国人女優「李香蘭」は、生粋の日本人だった。
対立する二つの国を愛して生きた女性の激動の半生。
戦前、戦中に女優・歌手として活躍した中国人スター「李香蘭」は、生粋の日本人・山口淑子だった。
1920年、中国東北部に日本人の両親のもとに生まれた著者は、その美貌と歌唱力、何より完璧な北京官話を話せることから、満州国の“五族協和”“日満親善”という国策のためにデビューすることになる。
まだ見ぬ祖国、日本への思いと、生まれ育った中国への愛の狭間で悩み、実は自分は日本人であるということを告白できぬことに苦しみながら、中国人女優「李香蘭」としてスターとなった著者に、終戦時、漢奸としての危機が迫り……。
時代に翻弄されながらも、強さと聡明さで自らの運命を切り拓き、戦後は女優だけでなく、司会者、政治家としても活躍した女性の自叙伝。
【解説・佐藤忠男/石井妙子】
目次
第一章 撫順時代
第二章 奉天時代
第三章 北京時代
第四章 天津時代
第五章 李香蘭誕生
第六章 新京時代
第七章 「蘇州夜曲」のころ
第八章 日劇七まわり半事件
第九章 私の青春物語
第十章 二人のヨシコ
第十一章 幻の映画
第十二章 『萬世流芳』
第十三章 夜来香ラプソディー
第十四章 上海・一九四五
第十五章 さようなら、李香蘭
付 李香蘭と別れてのち
あとがき その一
あとがき その二
解説 佐藤忠男
新装版解説 石井妙子