誰もが創造する力を見いだせる新たな思考の理論書。
本書は、ファッションデザイナー永澤陽一の作品と実践に内在する創造の哲学を起点に、その思考を言語化・体系化し、「Pan Creative Fashion 思考」という理論として提示する一冊である。
永澤は、東京・パリコレクションでの発表をはじめ、既成概念にとらわれない素材や技術への挑戦を通じて、独自の造形世界を切り拓いてきた。同時に、「無印良品」「AEON」「ニューバランス」など、日常に根ざした衣服の分野においてもプロデュースを手がけるほか、金沢美術工芸大学や国際ファッション専門職大学での教育に携わり、創造と社会の接点を実践的に探究している。
ファッションデザインは、偶然や感覚に委ねられるものと見なされがちである。しかし永澤にとってのデザインとは、人が袖を通すという前提のもと、意図とロジックによってかたちを導き出す思考のプロセスにほかならない。
本書では、時代の先端に挑み続けてきた永澤の実践をもとに、これらの作品を通してファッションデザインおよびクリエーションの思考方法を可視化する。本書の構成・執筆は、永澤の創作に長年伴走してきた視点のもとに行われている。
ファッションを「知的実践」として捉え、造形・思想・社会との関係を横断的に読み解く本書は、分野を越えて思考を拡張する視座を提示する。
創造に向き合うすべての人に向けた理論である。