ぜいたくの100年
第1章 近代数寄者の系譜
「美」を己のものとするぜいたく
骨董にかこまれて茶の湯ざんまい。近代成功者たちの「今利休ぶり」は、ぜいたくの極致といってさしつかえない。
第2章 有徳人・素封家の系譜
名望家の名を残さんとする「心のぜいたく」
真面目な田舎紳士たちは、世のため人のために汗を流し、財産を傾ける。日本の近代を支えた地方素封家たちの情熱。
第3章 成功者の資格
己の富を文明のために使う人生
富を得た者は、何かの形でそれを世間に返さなければならない。そういう決まりが厳然と生きていた時代である。
第4章 放蕩者の群像
惜しげもなく父祖が築いた財産を蕩尽する人々
物に憑かれたように財産を使い尽くす破天荒の豪遊。爽快でもあり、少々おかしくもある遊蕩の人生。
第5章 皇室の藩塀
「華族」という人々の生き方
人もうらやむ爵位と勲章。敗戦で消えてしまった「華族」様とは、どういう人たちだったのだろうか。
第6章 西洋への憧れ
洋行と舶来品
文明開化の御代以来、西洋に学ぶものは多かった。そして学ぶだけでなく、心底西洋に恋する人々も現れる。
第7章 別荘の物語
別荘は文明の象徴 ステータス・シンボルだった
明治は別荘ブームの時代であり、紳士たちは競って別荘を建て、「文明の暮らし」を試みた。その有様を箱根に見る。
暮らしと消費 写真と年表で見る100年
「1等国」への道 1901~22
内国博覧会/バス登場/ゴルフ場開場/今日は帝劇・明日は三越/借家人同盟
震災から昭和戦前期 1923~36
スキー/エロ・グロ・ナンセンス/オート・キャンプ/ダンスホール
ぜいたくのない時代 1937~45
買い溜めと売り惜しみ/モンペと国民服/ぜいたくは敵だ/配給切符
敗戦後の混乱期 1946~50
バラック/闇市/夜の女/サツマイモ/ドブロク/ゴロ寝/朝鮮特需
高度成長の時代 1951~79
民間航空再開/400万円宝くじ/芸術の秋/ハイウエー時代/東京サミット
バブルとその崩壊 1980~99
地あげ/金メッキのバスタブ/豪華客船/金融パニック/世界都市博中止
コラム
金原明善と西村伊作
豆千代とポン太
音楽好きの殿様
「華美に流れるな」と詔書
堤康次郎と千円別荘