戦後の混乱が一段落した昭和29年に第一子をもうけた山田風太郎が、長女13歳、長男10歳の昭和42年末までつづった子育ての記。父になる戸惑いと喜び。いたずらを見つかったわが子の表情に「悪の愉しみと悲しみ」を見いだす作家としての眼差し。ふと「死ぬっていやだなあ」と口にした5歳の子に「天国へゆくんだ」とはいえない自分を知り、感じる悲しさ。子供の世界をいとおしみ、面白がる風太郎の面目躍如。
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