昭和17年5月、美術学校日本画科の学生17人は、“必勝祈願”と称して「般若心経」を唱える反戦集会を開く。「生きて帰らなくては、巨匠の夢は見られない」が彼らの合言葉だった。反戦の意志を形にして一つの儀式で区切りをつけたのである。そのひとり石工習は、弟の錬に「俺が帰れなくてお前が帰れたら仲間の戦後を確認してくれ」と言い残して戦地に赴く。17人と錬のその後は?
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