「自然主義」と呼ばれたもの達は、「言えない」を主題とする小説として生まれ、いつしか赤裸裸な「自分のこと」を告白する私小説へと変貌する。
国木田独歩と島崎藤村を中心に、「自然主義」との関わりから日本近代文学の核心に迫る第二部。
そして、明治維新の前年に生まれた夏目漱石、尾崎紅葉、幸田露伴、正岡子規、一つ年下の北村透谷。
明治生まれの第一世代の群像を、彼らの作品読解を通して活写する
橋本治の「近代」「文学」論の完結編。
西洋由来の「近代」受け入れた日本人が求め、 「近代」によって失われたものとはなんなのか?