雑誌
國華
國華 1262号
定価:4819円(税込)
発売日:2000年12月12日
1262号 

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■特集
天童広重
 古くは天童藩、現在山形県の小都市である天童市には江戸で活躍した歌川広重の肉筆画がまとまって伝来し、それらを特に「天童広重」と呼んでいます。
 嘉永四年(一八五一)末、天童藩に御用金をおさめてきた領内の豪農や出入りの豪商は、褒美の品として御用金返済の代わりに、江戸の浮世絵師広重の肉筆画を下賜されました。すなわち「天童広重」誕生の背後には、大名の藩の財政が一介の江戸の浮世絵師によって急場を救われるという意外な事情が存在したのです。
 國華編集部は、天童市内を中心に「天童広重」の調査を行いました。『國華』第一二六二号は「天童広重」という、武家、農民、町人の諸相が交流しあった江戸文化の美しい置き土産ともいえる一群の肉筆画作品のなかから、主に天童市内に現在も伝わる「天童広重」の優品を選び特集いたします。

■本文
 歌川広重と“天童広重”
 執筆=小林 忠 〈学習院大学〉

 歌川広重筆 東都佃島住よし・京嵐山・浪花住吉出見之浜図
 執筆=市川信也 〈馬頭町広重美術館〉

 歌川広重筆 金沢雀カ浦・金沢飛石山図
 執筆=河野元昭 〈東京大学〉

 歌川広重筆 東都隅田川・東都飛鳥山図
 執筆=池田良平 〈天童市美術館〉

 歌川広重筆 東都御殿山品川汐干狩・同所海晏寺海苔取遠望図
 執筆=市川信也 〈馬頭町広重美術館〉

 歌川広重筆 吉野之桜・龍田川之紅葉図
 執筆=市川信也 〈馬頭町広重美術館〉

 歌川広重筆 丹後天橋立・同所成相山眺望図
 執筆=折井貴恵 〈馬頭町広重美術館〉

 歌川広重筆 東都上野霧中之花・同所不忍雨中之花図
 執筆=小林 忠 〈学習院大学〉

 歌川広重筆 翁・三番叟図
 執筆=小林 忠 〈学習院大学〉

 天童広重作品目録
 作成=市川信也 〈馬頭町広重美術館〉

 広重年譜
 作成=佐藤美子 〈学習院大学〉


■図版
 歌川広重筆 東都佃島住よし・京嵐山・浪花住吉出見之浜図 [カラー] 〈山形県  慈光明院〉
 絹本着色 三幅 各縦92.0cm×横28.9cm

 歌川広重筆 金沢雀カ浦・金沢飛石山図 [カラー]
 絹本着色 双幅 各縦92.4cm×横32.1cm

 歌川広重筆 東都隅田川・東都飛鳥山図 [カラー] 〈山形県 出羽桜美術館〉
 絹本着色 双幅 各縦92.4cm×横32.3cm

 歌川広重筆 東都御殿山品川汐干狩・同所海晏寺海苔取遠望図 [カラー]
 絹本着色 双幅 各縦90.6cm×横30.5cm

 歌川広重筆 吉野之桜・龍田川之紅葉図 [カラー] 〈山形県 広重美術館〉
 絹本着色 双幅 各縦93.9cm×横32.9cm

 歌川広重筆 丹後天橋立・同所成相山眺望図 [カラー]
 絹本着色 双幅 各縦92.4cm×横32.2cm

 歌川広重筆 東都上野霧中之花・同所不忍雨中之花図 [カラー] 〈山形県 出羽桜美術館〉
 絹本着色 双幅 各縦90.3cm×横32.4cm

 歌川広重筆 翁・三番叟図 [カラー]
 絹本着色 双幅 各縦90.2cm×横31.9cm

編輯委員
主幹    辻 惟雄 
       小林 忠 
       田辺三郎助 
       関口正之 
       高階秀爾 
       河野元昭 
       海老根聰郎 
       竹内順一 
       小川裕充 
       佐野みどり
名誉顧問 水尾比呂志
発行
國華社
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