商うのは「鳥」、持ち込まれるのは「謎」――姿を消した夫を待ちながら店を切り盛りするおけいが解きほぐす、不思議な事件と、せつない恋!
行方知れずの夫の帰りを待ちながら、鳥を商う「ことり屋」を営む女主人のおけい。店に現れた美しい娘が、鳥にまったく興味がないのに、紅雀、相思鳥、十姉妹と次々と買い求める様子をおけいは不審に思う。娘が鳥を贖い続ける理由とは……? 店へ持ち込まれるさまざまな謎を解きほぐしながら、たくましくしなやかに生きるおけいと、市井の人たちの姿を活写する清々しい物語。『ヨイ豊』で直木賞候補、歴史時代作家クラブ賞受賞と今最注目の書き手の最新作。悩みながらも人生を歩むすべての人を励ます一冊です!
(目次)
第一羽 かごのとり
第二羽 まよいどり
第三羽 魂迎えの鳥
第四羽 闇夜の白烏
第五羽 椋鳥の親子
第六羽 五位の光
第七羽 うそぶき