生涯で21本のコンビを組んだ、映画監督・降旗康男と高倉健。降旗監督の証言を核に、チームの名カメラマン木村大作、『駅 STATION』で共演した倍賞千恵子、『あ・うん』以降、公私ともに付き合いが続いた坂東英二など、多数の証言から稀代の名優を浮き彫りにする。
高倉健が東映より俳優デビューした1956年の翌年、降旗康男は東映東京撮影所に入所、助監督見習いとなった。撮影中に、美空ひばり宅に遊びに行っていた高倉に、見張り役として降旗氏が同行したのが、ふたりの初めての出会いだという。
66年以降、東映では『網走番外地』シリーズ6本を含め、11の作品を高倉健・主演で手掛け、フリー以後は高倉にとって遺作となる『あなたへ』まで10本、コンビで数々の名作を残した。