『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)で直木賞&本屋大賞を受賞後、初の文庫。
スピンオフ小説「悪い春」を特別収録。
東日本大震災を経て、刻々と変貌していく《東京》を舞台にした戯曲
『エピタフ東京』を書きあぐねている“筆者K”は、吸血鬼だと名乗る吉屋と出会う。彼は「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが・・・・・・。
将門の首塚、天皇陵・・・・・・東京の死者の痕跡をたどる筆者の日常が描かれる「Piece」。徐々に完成に向かう戯曲の内容が明かされる作中作『エピタフ東京』。吉屋の視点から語られる「drawing」。
三つの物語がたどり着く、その先にあるものとは――。
ジャンルを越境していく、恩田ワールドの真骨頂!